PROJECT STORY クライアント ✕ 担当者によるプロジェクト対談
STORY #1
社と社の垣根を超えた、
まさに“運命共同体”ですね。
P&Gジャパン合同会社
増井 章高様 / 営業統括本部 シニアマネージャー
株式会社いつも
野 成年 / 事業推進本部 第三グループ ユニットマネージャー
青木 仁 / 事業推進本部 第三グループ ECディレクター
世界180カ国に製品を展開する、世界最大の日用消費財メーカーであるP&G社。洗剤・紙製品・ヘアケア製品・化粧品・小型家電製品といった、学生のみなさんにも馴染み深いP&Gブランドに対して、私たちitsumo.がどのように向き合っているのか。プロジェクトを通じてご紹介します。
多いときには、1日で5回もミーティング。
「社内の誰よりも、野さんと会話していました(笑)」
P&G社とitsumo.の関係性や、プロジェクトの概要を教えてください。
itsumo. 野
弊社がP&G様とのお付き合いが始まったのは、もう10年近くも前のことです。関係性は徐々に深まり、今では全カテゴリーの販売をお任せいただいています。
P&G 増井さん
私が当部門に着任したのは1年半ほど前。それから 野さん・青木さんたちとは、弊社が取り扱う日用品・エレクトロ製品のEC販売における売上の拡大に向け、さまざまな取り組みをしてきました。弊社の製品は大きく分けると2つのカテゴリーがあり、『BRAUN』『Oral-B』などの家電を扱う〈エレクトロ〉カテゴリーと、『アリエール』『パンパース』『ジョイ』『パンテーン』などの日用品を扱う〈雑貨〉カテゴリーになります。このうち、P&Gではエレクロトカテゴリーの公式ショップを主要ECモールで展開しており、その企画・運営をitusmo. さんにご支援いただいています。合わせて、itsumo.さんが運営する『itsumo mart(いつもマート)』などで、雑貨カテゴリー製品の販売をお願いしています。
itsumo. 野
これだけ幅広い製品を任せていただいているので、一つひとつの製品の理解だけではなく、「P&G社として何を大切にして事業を行なっているのか」という根っこにある本質的な考え方を理解し、我々自身がメーカー目線になって販売をする必要があります。そのためにも増井さんには多くの時間をいただき、根掘り葉掘りお話を聞かせいただきました。
P&G 増井さん
以前から弊社内でも、“itsumo.さんはECのプロフェッショナル”と聞いていましたが、特に野さんは弊社をご担当いただいてから、長いじゃないですか。むしろ「私よりP&Gの製品に詳しいんじゃない!?」と驚いたくらいです。
itsumo. 青木
私はプロジェクトのスタートとほぼ同時に新卒入社で参加しました。はじめは製品知識のことも野さんにいろいろ教えてもらい、「どうしたらそんなに詳しくなれるんだろう…」と不思議に思ったくらいです。
itsumo. 野
青木くんも友達にモノをおすすめするとき、知らない製品を紹介できないでしょ? 特別なことではなく、それと一緒なんですよ。ましてやそれがお客様に販売するわけですし、誰よりも製品のことを知っている必要がある。その意味でもクライアント様との距離感は重要です。P&G様は増井さんをはじめ、本当にみなさん真摯に向き合っていただけるので、こちらもやりやすいです。
itsumo. 青木
増井さんと野さんは、ほとんど毎日のように打ち合わせをしていましたよね。
P&G 増井さん
幅広い製品群を扱っていただいているので、itsumo.さんとのミーティングは多いときで1日に3-5回くらい。社内の同僚よりも誰よりも、圧倒的に野さんとコミュニケーションをとっていましたね(笑)。
風向きが大きく変わるなかでのスタート。
二人三脚で駆け抜け、
想像以上のゴールへたどり着く。
両社で共に掲げていた目標について教えてください。
P&G 増井さん
対応する製品範囲が広いですから、さまざまな目標数値があります。総じて言えば、「全体の売上を伸ばしていく」ことでしょうか。私がitsumo. さんとご一緒させていただいたのは、ちょうどアフターコロナのタイミングでしたよね。
itsumo. 野
世の中全体のアフターコロナの激変とともに、EC市場もまた大きく変わりました。 特にエレクトロ製品においては、コロナ需要によって売上が伸びた製品も、アフターコロナ後に海外のOEM製品が日本市場に多く進出してきたので、市場競争が激しくなっていました。これまでに指標としていたデータなども通用しない、あらゆる常識が崩れる状況下でのスタート…。増井さんとご一緒させていただくタイミングでは、いろいろと手探り状態でしたよね…。
その状況をどうやって乗り越えたのですか。
P&G 増井さん
いろいろなことが複雑に作用していますので、これをやったら上手くいく、という話ではありませんでした。日々話し合いを重ねてアイデアを試しながら、常にPDCAを回すことに注力していました。
ECの売上は〈客数・購入率・売上単価〉の3つの要素で成り立っているのですが、「各タッチポイントで、どのようなアクションを起こせば、その要素を高めていけるのか?」ということをひたすらitsumo.さんと一緒に考えながら、新しい施策を実行する。その結果をもって次の行動へ…というのを猛スピードで繰り返すことで、少しずつ目標に向かって前進していきました。
itsumo. 野
消費者から見える場所である、クリエイティブはとても重要。大きな戦略を立てながら、それを実行するために各コンテンツ制作の細かい部分まであらゆる工夫をこらしました。
P&G 増井さん
公式ショップの各ページは、“売り場=お店そのもの”ですからね。ここはお二人に多大なお力添えをいただいて、売上を伸ばすことができました。幅広い製品ラインナップをそれぞれ伸ばすために、日々トライアンドエラーでした。特に青木さんには、手厚くサポートいただきましたよね。
itsumo. 青木
そうですね、いちばん悩んだのは「このポイントは伝えたいけど謳えない……」というモヤモヤでしょうか。さまざまな規約がある中で、どうやって製品の魅力を伝えていけば、買い手の心は動くのか? 答えを模索していきました。
モール内でランキング上位の他社製品と比較するのはもちろん、世の中の口コミを徹底して調べ、知人にも意見を聞きまわり、リアル店舗にも足を運んだり、自分で使ってみたりもしました。加えて、社内の他グループのコンサルの人たちに、過去施策のクリエイティブとその実績数値などを聞きながらリサーチを重ねましたね。
その過程で得たヒントを紡いで購入者視点でのインサイト(現状の悩みや購入動機など)を汲みとり、キーワード化する。さらに増井さんともその仮説をぶつけ合いながら、製品の魅力を発信するためのキーワードに優先順位を付けていきました。
itsumo. 野
泥臭く遠回りに感じるかもしれませんが、この一連のながれのなかで、弊社とP&Gさんの意識が徐々にひとつになり、クリエイティブも研ぎ澄まされていきましたね。
itsumo. 青木
自分自身がゴールを見えていないと迷いが生じ、伝えるべきこともブレますよね。先輩たちみんなから「クライアントと製品をどれだけ理解しているかが重要だ」と聞いていますが、その通りだと実感しました。
洗濯用洗剤の新製品が出るタイミングでは、増井さんにP&Gの社内ツアーにもご招待いただき、製品開発の裏にある想いやこだわりだけでなく、洗濯機の歴史から教えていただきました。こういった深い情報があるかないかで、コミュニケーション戦略やクリエイティブの質にも差が出るのだと思っています。
itsumo. 野
あとはクリエイティブの良し悪しに加え、施策を打つタイミングが重要。増井さんから各製品のオフラインでのプロモーション施策(例:TVCM・新聞広告・屋外広告)のロードマップなども共有していただきながら、EC以外の全体像を把握したうえで作戦を練っていきましたね。
P&G 増井さん
素晴らしいコンテンツと販促のタイミング、これがばっちりハマることで効果が最大化できると思っています。みなさんに尽力いただいているので、私たち側でできることは精一杯やる。その想いで情報共有をしてきました。
こうしてitsumo.さんと二人三脚で走りつづけて、およそ1年半。雑貨カテゴリーとエレクトロカテゴリーの両方で、当初掲げていた全体の売上目標を達成することができました。雑貨カテゴリーに関しては、目標の3倍を超える売上に。またエレクトロカテゴリーでは、特に光美容器製品で過去最高の実績を出すことができました。あらためて振り返り、1年半という限られた時間の中でこのような成果を出すことができたのは、Itsumo.さんと密に連携ができたからだと思っています。
失敗を恐れずにチャレンジしていける。
この信頼が、本物の一体感を生む。
プロジェクト成功の秘訣は、何でしょうか。
itsumo. 野
今までと同じことだけをやっていたらビジネスは鈍化していくと考えています。そのため、お客様のビジネスを伸長させていくには、常になにかしらチャレンジしていく姿勢が必要です。
P&G 増井さん
本当にその通りです。itsumo.さんの提案で、雑貨もエレクトロもライブコマースに挑戦したんですね。弊社ではあまり前例のない施策で、挑戦する際に勇気がいりました。特にAIライブコマース(※)について初めてお聞きしたときは、こんなものがあるのか!と目から鱗でした。
※AIライブコマース(デジタルヒューマノイドがライブコマースをする施策。
itsumo. 青木
ライブコマースは海外では主流になりつつありますが、日本ではまだ浸透していないために、ライブコマースで接点をもてる消費者層が限られています。そこに投資をするということは、なかなかハードルが高いですよね。
P&G 増井さん
ここは野さん・青木さんとはまた別の担当者さんも含め、熱心にご提案いただきました。実施できたのは、itsumo.さんのプレゼンに対する納得度でしょうか。今回はAIなどのデジタル技術もフル活用をして、消費者の方に本当に製品の良さを伝えられるプラットフォームだと感じましたし、先行きを長い目で見たときに、投資効果を最大化できる仕組みでご提案いただきました。それまでも日々サポートいただいていたので、私としても新たな挑戦をitsumo.さんとしたいと思い、気合いを入れて社内に通しました。
itsumo. 野
この施策も含めて感謝しかないのは、こういったチャレンジングな取り組みを肯定的に捉えていただけることです。もちろん成果というのは求められますが。
P&G 増井さん
ライブコマース自体は、まだ道半ばなので成果が見えるのはこれからですね。ただ私としては、このようにチャレンジすること自体が、弊社にとってすごくいい影響があると思っています。
大きなポイントとしては、ECでの可能性を広げてくれることです。ビジネス成長のためにも弊社ECチームは、もっとチャレンジしていかないといけないと考えています。その一歩として、itsumo.さんにライブコマースをご提案いただき、前例が少ないことであってもitsumo.さんとであれば一緒に「自分たちで突破口を開ける」と思い、挑戦することができました。実際に、チャレンジする一歩として、非常にいい取り組みだったと思います。
また、実際にやってみて、ライブコマースはECの製品説明分や画像以上に、弊社の製品の良さと消費者の皆様へのメリットを強力にコミュニケーションできるツールだと実感しました。
itsumo. 野
実際にご一緒させていただき、学びも多かったので、これからも引き続き、PDCAを回し、成果に繋げていきたいと思います。また直近では、光美容器のフラッグシップモデルも新発売されたので、これをどう広めていくかも考えていかねば、ですね。
itsumo. 青木
高価格帯製品なので、ECというプラットフォームでいかにその価値をお客様に届けられるかが重要。それはお客様に、安心して購入までの意思決定をしていただくことにも繋がります。なので、私たちもこれまで同様に、製品に詳しくならなければと思っています。
itsumo. 野
製品のファンを増やす施策を考えるためには、まずは私たち自身がP&Gさんの、そして製品のいちばんのファンにならないといけない。でもこれって意識的にやっているかというと、そうじゃないんですね。
前段でもお話をした通り、モノを売るためには、その特徴を詳しく知る必要がある。その過程で製品やクライアントのことが好きになると、もっと知りたくなる。いち生活者としての純粋な好奇心と、クライアントのことを理解しようと踏み込む探究心が、このサイクルをつくり、新しいコミュニケーションのタネを生んでいくんです。
P&G 増井さん
簡単に聞こえますが、これって簡単にはできないことですよ。みなさんの熱量をひしと感じるからこそ、私たちも信頼してご一緒したいと思えるんです。itsumo.社のすごいところは、野さん・青木さんのお二人だけではなくて、誰にお会いしても全員が熱量をもって、クライアントの製品やサービスと向き合われていることですよね。
私個人もこのプロジェクトを経てその熱量に魅了され、itsumo.さんの大ファンになりましたよ。プロジェクトメンバーとして御社の新人の方が入るたびに、「いい会社入りましたね、ラッキーですよ!」と言っていますから(笑)。
itsumo. 野
情報や製品が溢れているこの時代に、本気でモノを売っていこうとするのは至難の業。クライアントとの距離感を縮める、くらいの意識では足りませんよね。失敗も成功も、常にともにできる。増井さんとはいつも話をしていましたが、まさに“運命共同体”ですね。
P&G 増井さん
このプロジェクトは約1年半の間でしたが、“体感は5年以上”。ほんとに濃い時間でした(笑)。
今後もお互いの持てる力を合わせて、より良い運命をたぐり寄せていきましょう。
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